山内宏泰 公式サイト

ライター。アート、写真、文学、教育、伝記など。 著書に「上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史」など。 好物はマドレーヌ、おにまんじゅう。 【Twitter】@reading_photo   info@yamauchihiroyasu.jp

掲載中

メディア掲載情報をお知らせ。

  • 403本

【掲載中】 文春オンライン 芥川賞・砂川文次インタビュー

どこよりも早い! はずの、芥川賞受賞後インタビュー。 砂川文次さんの言葉は、小説と同様に歯応えガッツリですよ。 「リアル」じゃなくて全然いいから、「リアリティ」を小説に植え付けんとする強い意思。しびれる。 #芥川賞 #砂川文次 #ブラックボックス 〈芥川賞受賞〉「エッセンシャルワーカーを ”保護する”というニュアンスに違和感があって…」 砂川文次が『ブラックボックス』に書き込んだ“怒り”のパワー 砂川文次さんインタビュー #文春オンライン https://bunshun.j

スキ
1

【掲載中】 文春オンライン ユージーン・スタジオ個展

想像力が大事、などとよく言うけれど、それってどんなもの? と問われたら心許ない。 そんなときはユージーン・スタジオの個展へ。そこでは想像力の具体化が、丹念におこなわれているのでした。 文春オンラインで! #ユージーン・スタジオ #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/51249?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink

スキ
1

【掲載中】 ぴあアプリ「水先案内」 ユージーン・スタジオ展ほか

東京都現代美術館でのユージーン・スタジオ個展、ふだん使わない感情の部分を揺さぶられるぞ。《想像》なんて最高に刺激的。 東京都写真美術館のグループ展も含め、 ぴあアプリ「水先案内」で。 #ユージーン・スタジオ #東京都現代美術館 水先案内人山内宏泰がセレクト いま、最高の一本 ユージーン・スタジオ 新しい海  EUGENE STUDIO After the rainbow | ぴあエンタメ情報 https://lp.p.pia.jp/shared/pil-s/pil-s-21

スキ
2

文春オンライン アート・ジャーナル 清川あさみ個展

時代を実感したいのなら、 清川あさみを追うのがいい。 YOASOBI『もしも命が描けたら』をさらに堪能したい人もね。 蔦屋書店GINZA ATRIUMでの個展のこと、文春オンラインで。 #清川あさみ #YOASOBI #もしも命が描けたら 清川あさみが描く“東京” 写真を“縫う”ことで浮き彫りにした時代のリアルとは アート・ジャーナル #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/50728?utm_source=twitter.com&u

スキ
2

読み書きのレッスン

寄せては返す波のように、読むこと書くことを日々学ぶのです。

  • 143本

五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝  5 強藩を揺るがす心の弱さ 20220116

 宝暦治水をひとつの事象と見た場合、幕府側からすれば「天下の暴れ河」平定の足掛かりができて、満足いく結果を得たと言える。  実務はすべて薩摩藩に丸投げだから、懐ひとつ痛まないのだし。  では薩摩藩から見た、宝暦治水の意味は?  そもそも縁もゆかりもない地の治水に借り出されたのは、幕府の一方的な命による。外様・薩摩の力を削ぐ方策だったのは明らか。  本来、薩摩藩がそんな無理難題を引き受ける大義や理は欠片もない。断固拒否すべき事案だったかもしれない。  折れて工事を請け負っ

スキ
1

「みかんのヤマ」 28 学びの効用 20220116

 中井先生は公立施設で心療内科の先生をしているのだとか。かつて患者として関わった人に、城下の公園での「朝活」に熱心な向きが多くて、これは心身にいい場所に違いないと、様子を見に来るようになった。  スタバではひたすらニコニコして座っているばかりだったけれど、著作もあって立派な先生だと周りから大いに囃し立てられていた。こんど読んでみる。  この朝の出会いから、わたしのルーティンは項目が増していった。  毎日起き出したらすぐに城下の公園まで行き、まず太極拳、ついでヨガと青空教室

スキ
2

「みかんのヤマ」 27 ヨガと心の先生 20220115

 安心できる場で、ただぬくぬくしていたい。小さいころのわたしの願いは、それに尽きた。なのに父は、ちっともわかってくれなかった。よかれと信じて、いつもわたしを外へ連れ出そうとした。  思えばいまも同じだ。父がみかん山でトロッコから転げ落ちて死んだ、そのことをきっかけにわたしも、みかん山を出てさ迷う羽目になった。山のふもとでぬくぬくなどしていられなくなった。  何かを得たいなら、自分から動きなさい。そう父に促されたみたいなものだ。  それもしょうがない、もう子どもでもないのだ

スキ
2

五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝  4 宝暦治水は美談か  20220115

 かように今際の際まで当人が戸惑っていたことからわかる通り、薩摩の人・平田靫負は生涯にわたり、それこそ自害するそのときに至るまで、失敗し続けた男だった。  だが伝え残る話では、そうなっていない。薩摩と美濃の郷土史を彩る「宝暦治水」、この出来事の中心人物として語られる平田靫負は英傑だ。ゆかりの地に銅像が立ち、顕彰され続けている。  宝暦治水とは、江戸中期におこなわれた大規模治水工事のこと。  一七五三(宝暦三)年末、江戸幕府は薩摩藩にお触れを出す。水害を繰り返していた木曽三

スキ
1

月夜千冊

あと何冊読めるだろう。 ふとそう思いました。 だから、 本を読もう。 もっと本を読もう。

第三十一夜 『神様の友達の友達の友達はぼく』最果タヒ 〜月夜千冊〜

 最果タヒはほんとうになんでも書ける。ジャンルを無化する。この本に載っているのは便宜上エッセイと呼ばれることが多いのかもしれないけれど、詩でもあり小説でもあるだろうとおもう。総称していつも「ふみ」を書いてるのだと決めつけたい。  または、最果タヒの書くものはいつもただの「運動」だという気もする。何を書こうとしているかはともかく、そこに「流れ」を生じさせているというか。  流れを記述しようと心を砕いた書き手が、そういえば百年あまり前にもいた。  ヴァージニア・ウルフ。  彼

スキ
1

「なつのひかり」 江國香織

 江國香織の書くものは、いつも欲望のかたまりとしてある。  自分の欲望で、作品のすべてを埋め尽くそうとしている。  それはどんな欲望か。自分の「好き」で世界を覆いつくしたいという願いだ。 「私」は20歳で、バイトを掛け持ちして暮らしている。双子のような兄がいて、彼には妻と娘がいる。おまけに50代の愛人までいる。 「私」のもとに「やどかりを知らないか」と隣人の男の子が訪ねてきて、そこからちょっと奇妙な夏の日々が展開していく。やどかりを探したり探さなかったりしているうちに、気

スキ
4

第二十九夜 「キュー植物園」ヴァージニア・ウルフ 〜月夜千冊〜

 ロンドン南西部、テムズ川沿いに広がるキュー王立植物園といえば、18世紀から歴史を刻む世界最大級の植物園。無数の植物種と遭遇できて、園芸好き・植物好きにとっては絶対的な憧れの地であるとともに、そぞろ歩く庭園としても本当に居心地がいい。  そんなキュー植物園での人や自然の営みを、とりたててストーリーの行き先もないまま、ウルフは文章でスケッチしていく。ふうんただのスケッチ小品かと思えば、まったくそうじゃない。その描写の精緻さと生気たるや、只事じゃないのだ。  知るかぎり最もスロウ

スキ
3

第二十八夜 「楽しい終末」 池澤夏樹 〜月夜千冊〜

「人間が人間らしく生きて幸福な日々を送ることは全体としての自然、全体としての宇宙の存在意義に逆らうものではないと証明しなくてはならない」  池澤夏樹による文明論。かつて文学者は詩や小説のみならず、あらゆる事象について語るものだったのだ。  20世紀は核の脅威に満ちた時代だった。人類や地球に終末がやってくるとしたら、おそらく核に関連したものだろうと予想がついた。そうしてその終末の到来は、じゅうぶんにあり得るものと考えられていた。  悲観論は、さまざまな立場から提出されていた。

スキ
3

写真のことごと

写真のすべて!

林典子『フォト・ドキュメンタリー 朝鮮に渡った「日本人妻」--60年の記憶』 〜トタン屋根書店で見つけた本〜

 話題になることはめっきり少なくなったといえ、1959年から84年にかけて、在日朝鮮人帰国事業がおこなわれていたのは歴史的事実です。夫に同行して朝鮮民主主義人民共和国に渡った「日本人妻」たちは、現地でどんな暮らしを営んできたのか。いま何を想っているでしょうか。  それを知るための一冊がこちらです。と店主が出してきたのは、林典子の6年間にわたる取材成果をまとめた『フォト・ドキュメンタリー 朝鮮に渡った「日本人妻」--60年の記憶』。  これは岩波新書なので、基本的には文章を中

スキ
6

永井荷風の撮った写真 〜トタン屋根書店で見つけたもの〜

文豪・永井荷風が写真にはまっていたのはよく知られるところ。彼の手になる写真も多く伝わっていて、これはそのうちの数枚ですね。 もちろんオリジナルプリントではありませんけども、と店主は幾枚かの写真を持ち出してきた。  街を遊歩していた荷風は、ときにカメラを手に気ままに撮影していたようで、いろんなものをさまざまなスタイルで撮っていますよ。  自分の食事を撮ったり、踊り子たちがラインダンスしているのを写したり、通い慣れた下町の散歩道もしっかり押さえていたり。  モダンなもの、いかに

スキ
1

中野正貴『TOKYO』  〜トタン屋根書店で見つけた本〜

 今年は東京がよく話題に上りますね、東京写真といえばまずこれでしょうと店主が出してきた一冊は、こちら。幼少期から東京で育ち、長じてついた写真家としての仕事も東京を拠点に続けてきた中野正貴による、その名も『TOKYO』という写真集。  全編これ東京の街の光景を収めた写真が続いているのですが、最初の1枚が最も古くて、1964年のもの。そう、前回の東京オリンピックが開催されたときです。駒沢オリンピック競技場に聖火がともっている様子が写っていますね。中野がほんの子どものころに撮った

スキ
6

『つきのひかり あいのきざし』 尾野真千子と川島小鳥  〜トタン屋根書店で見つけた本〜

 写真はたいてい具体的な何かを写すものなのだから、被写体の重要性はいくら強調してもやり過ぎということはないはずです。これは写真がまずもって被写体のためのものであることを、はっきり示している一冊ですよ。  と言いながら店主が持ち出してきたのは、川島小鳥が撮影した『つきのひかり あいのきざし』だった。  被写体になっているのは、女優の尾野真千子。彼女を台湾や奈良各所で撮影したものです。どのカットも肩の力が抜けたムード。尾野真千子はどこまでも自然体で、無防備な姿を晒しています。た

スキ
3

日本百名湖

日本百名湖 八 震生湖

 東京に湖は、ない。  じゃあ東京都心にいるとき、どうしても湖を見たくなったら、どこへ向かえばいいか。  最寄りの湖は、神奈川県にある。  震生湖だ。  東名高速道路、秦野中井インターチェンジ近くの丘陵地。ちょっとした坂道をクルマで上りきったところに、駐車場がある。そこから歩いてささやかな林を抜けていくと、木立の合間にキラ、と光るものがある。むろんそれが湖面だ。  そのまま進むと、浅い入り江に出た。湖面に沿って向こうのほうまで視界が開け、細長い湖の全貌が見渡せる。  これだけ

日本百名湖  七 芦ノ湖

 日本地図を俯瞰で見れば、富士山を取り囲んである富士五湖の連なりのうちに、芦ノ湖もあるということになるか。  東京圏に住む人からすれば、近場のリゾートとして真っ先に思い浮かぶのは日光、軽井沢、箱根であって、芦ノ湖はその箱根観光における終着地のような位置付けとしてある。  だから湖畔にはロープウェーもあれば大きいホテルもあり、湖面には海賊船の装いに仕立てられた遊覧船が揚々と湖上を渡る。船は箱根観光船と芦ノ湖遊覧船の二社がそれぞれに運航しているほどの手厚さだ。  それで一帯は充分

日本百名湖 六 山中湖

 富士五湖のうち、ひとつだけ東に外れた位置にある山中湖は、五湖のうちいちばん観光開発が進んでいて、湖畔はどこも絵に描いたような避暑地の光景が広がっている。  かくいう自分も、学生時代には夏になるたび、サッカーの合宿と称して足を運んだのだった。  真夏なのに夜になると、上着が欲しいほど冷えたのをよく覚えている。湖の外周路に出没する屋台のラーメンがやけにおいしかった。それもそのはず、湖面位置の標高はおよそ千メートル。五湖で最も高地にある。  そのころはろくに見ていなかったけれど、

スキ
1

日本百名湖 五  河口湖

 陽が昇るにつれ、薄くかかった霧が晴れてきて、眼下に広がる水が銀色に光って見えた。  湖面から視線を上げていくと、すっと伸びる稜線が目に入る。天へ昇っていく方向へ辿っていけば、雪の白さが眩しい。  山梨県側、御坂峠の頂上近くから眺める富士山と河口湖の光景だ。  それにしても、姿を現すだけで誰しも思わず「おお、」と声を上げてしまう、富士はまこと千両役者だ。  富士の魅力の源泉はいったいどこにあるのか。形容か色合いか周囲の環境か。はっきり名指せないが、万人に晴れがましさを感じさせ