山内宏泰 公式サイト
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1990年代からこのかたの「現在史」をつくる。
文学のすべてを、ここに集めるのだ。
写真のすべて!
創作と編集、その知見をできるだけ集め、まとめ、体系立てるのです。
『Dr.Eggs ドクターエッグス』5巻が5月に刊行。 巻末記事として「病理医ヤンデル先生」こと市原真さんのインタビュー、掲載されてます。 そのロングバージョンがnoteで公開中ですよ。ぜひ。 #ドクターエッグス #ヤンデル #三田紀房 @mita_norifusa #note https://note.com/mitanorifusa/n/n90f0a082d98b
「出会いをぜんぶ、マンガにするヒューマンマンガ家」つのだふむさんのこと。 文春オンラインで! #つのだふむ #糸島STORY 巨大なムカデとコオロギ、そして天井には大量のヤモリが…“異色の漫画家”が糸島で味わった“ドタバタ移住体験記” #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/62731?utm_source=twitter.com&utm_medium=social&utm_campaign=socialLink #文春オンラ
一九九一年三月のこと。 自分の内側が、空っぽのがらんどうになった気分だった。 寝て起きて、とくにすることも思いつかず、家のなかでぼおっとしている日が続いた。詰め込んだ受験知識が毎秒ごと、脳内からどんどん抜け落ちていくのがわかった。 月初に合格通知がきて、東京の大学へ進学できることになった。 速達で届いた通知を玄関先で開けた瞬間も、飛び上がるようなよろこびというより、これでなんとかなる、間に合ったかなと、ただただほっとした。 自分を受験勉強に駆り立てていたのは
安部公房の『砂の女』では、ひとくみの女と男が、砂のなかの家にとらわれている。 女が住んでいた家にあとから来ることとなる男は、虫を探して砂丘へと誘い出され、見つけた虫にカメラを向けるも、足元をとられてシャッターを押せなかった。 そのまま砂に巻き込まれ、家と女に絡めとられ、抜け出せなくなる。蟻地獄にはまったみたいに。 ああ、あのとき、シャッターを押しさえすればよかったのにとおもった。 シャッターを押して、写真に撮れば、その光景は記録され記憶の素となる。すなわち男にとって
記憶の中から紡ぐ創作論の11回目。 たとえば小説は、近代になって西洋で生み出されたジャンルであって、日本に伝わってきたのは明治時代に入ってから。 漫画はといえば、「鳥獣人物戯画」のような中世の著作に起源を求める説もあるけれど、まあ小説と同じく近代の産物と考えたほうが収まりはいい。 さて物語という存在に焦点を当てると、べらぼうに起源が古くなる。正確なところはだれにもわからないけれど、ヒトがヒトとなったころから、または言葉を操るようになって以来、物語はずっと紡ぎ続けられて
「ヌメロトウキョウ」6月号「写真家たちの冒険」特集で志賀理江子さんが挙げたのは「いまここにある身の回りの冒険」でした。日常の中にかつて生きた人の姿を見出していく。 「“世界の果て”のアート探訪」も。眺めれば辺境旅行気分。雑誌の醍醐味。 #ヌメロ
著名なもしくは関係性あるアーティスト作品をかき集めたのじゃなくて、 「ここにあるべきは誰のどんな作品か」 と思考が重ねられただろうことが伝わってきてすてきだ。 東急歌舞伎町タワー内のアートについて、 #文春オンライン で。 #歌舞伎町タワー #アート
一九九〇年十二月末日だった。 大晦日とはいっても、特別なことは何もない。大掃除だってしない。秋口から同じペースで続けてきた受験勉強を、ひたすら継続するだけだった。 前の週から冬休みにはいった。年が明けても、三年生は通学しなくてもいいから、高校は実質終わったようなものだ。一日丸ごと二十四時間が、自分の手元に落ちてきた。ふつうなら持て余しそうだけど、いまは目の前にやることがたくさんあって、それをこなすのに精一杯で、時間はあればあるだけありがたい。 焦っていた。国語も英語も
桑田佳祐とサザンオールスターズは、「空気」をつくるのが抜群にうまい。 一曲ずつ、その作品の輪郭というか、纏う色合いがくっきりとしていて、いつもねらいがたいへん明確。 1990年にリリースされた『SOUTHERN ALL STARS』は、バンドとして5年ぶりのアルバムとなるものだった。 一曲目の『フリフリ’65』は、いかにもなロックナンバーで、みんなに久しぶりにアイサツかますか! と言わんばかりの快活さに溢れる。 大いに「らしさ」を示しつつ、ほんのすこし探りを入れるよ
一九九〇年十一月のこと。 愛知と岐阜の県境近く、山ひとつ削って拵えられた新興住宅地の片隅に一軒の分譲住宅があって、その二階の六畳間で夜な夜な僕は勉強だけしていた。 十八歳で、受験生だった。 平日のルーティンは、こうだ。 まず、高校にはちゃんと通う。学校をあてにせずすべてを予備校に委ねるか、自分で計画を立てるツワモノもいるけど、自分にはそこまでの自信もビジョンもない。生活ペースを保つためだけでも、学校に行く意味はある。 とはいえ、大半の授業では内職に励む。最近はも
トルストイの自伝的小説で、主人公は19世紀のロシアで大学生の身分にある。 食うに困らぬ程度の恵まれた境遇で青年時代を送る者ならたいてい、自己を養い完成させることに強く関心が向くのであって、そうすると決まって自意識や自信が過剰になってしまうもの。主人公もまたよくある落とし穴にハマっている。これこそ「青年の典型」という感じ。 思えばトルストイはたくさんの作品で多くの「典型」を生み出した。揺れる心を抱えた妻の典型、戦争の現場の典型、ロシア民衆の典型……。ここでも青年の一典型を
書くことって、だれでもできる。 だからこそ、ちょっとした技術は、覚えておいたほうがいい。 以下の二冊は、基本の書としてすごくよくできている。 どちらも古い本だけど、いい内容。受け継がれているのには、やっぱりワケがあるものだ。 『日本語の作文技術』 本多勝一 朝日新聞社 作文には技術があるよ。基本的なテクニックというか、ノウハウがあるから、それを覚えておいて使いましょうね。 というのを改めて、一冊かけて明快に説いている。それだけで歴史的な存在意義のある書物だ。精神論に傾かず
藤倉麻子さんと吉田志穂さん。アーティストとして立ち、生きていくのに必要なものって何か、などなど語り合っていただいてます。率直な言葉の数々が胸に響くなあ。 ウェブ版美術手帖「リクルートが目指すアートの新地平」で。 #藤倉麻子 #吉田志穂 #リクルート
たかくらかずきさんと石原海さん。東京ではない地域で精力的に活動するおふたりが、アーティストのキャリアの築き方と地域の関係などを語り尽くし、たいへん面白いのです。 ウェブ版美術手帖「リクルートが目指すアートの新地平」で。 #たかくらかずき #石原海
アートスペース「BUG」と公募「BUG Art Award」が動き出すのにあたり、ゆかりあるおふたり保坂健二朗・菊地敦己両氏が語り合っていらっしゃいます。耳を傾けておくべき言葉とはこういうののことを言うのですよね。 ウェブ美術手帖で。 #保坂健二朗 #菊地敦己
「描くひと」としてペインティングをものするイメージが強いのが大宮エリーさんなのだけど、写真作品も意想外に多い。 2021年には二冊の写真作品集を刊行している。 自身の転機とするべく訪れた、米国シャスタの地で撮影した『SHASTA』。それに、自らの心のチャージに訪れた諏訪大社や洞爺湖の写真を並べた『SACRED SPACE』だ。 それぞれ撮影場所も時期もまったく異なるけれど、どちらも聖地を被写体にしているのは同じ。なぜ聖地写真を撮り、まとめることにしたのか? 聖地写真は見てい