宮﨑駿の『君たちはどう生きるか』を 「物語づくり」から眺める
物語づくりの観点から、宮﨑駿の新作『君たちはどう生きるか』をみてみる。
目についた特長を、みっつ挙げたい。
ひとつめ。今作では、物語の「型」が、忠実に用いられている。
古代ギリシアの時代から、あらゆる物語は決まりきった型に沿うとされてきた。
それがすなわち三幕構成。
一幕で状況や目的がセットアップされ、
二幕で対立や葛藤が展開され、
三幕で解決を見る。
というのが物語の基本型であって、『君たちはどう生きるか』も、きちんとこれが守られている。
一幕では戦時下の現実世界がリ