第二十六夜 「空が分裂する」最果タヒ
「ことばつかい」に興味津々だ。
目上の人に対するときは気をつけるべし、といった「ことばづかい」のことじゃない。
魔法の使い手を魔法つかいと呼ぶのと同じように、言葉のみごとな使い手のことを、ぼくは心の中で「ここにもいたぞ、ことばつかい!」と呼び習わしている。
ことばつかいはいろんなジャンルに棲息している。言語表現たる文学の世界にたくさんいるのは当然だけど、とりわけ、ことばつかいとはこのことだ! と毎度唸らされる詩人がひとり。
最果タヒだ。
『空が分裂する』は初期の最果タ