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文学のことごと

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記事一覧

吉本隆明 「彫刻のわからなさ」 を読む  〜まったくあたらしく世界を立ち上げること…

 ピカソらによるキュビズムは絵画史上の大冒険だったというのが大方の世評、というか史実にな…

『ラオコオン 絵画と文学との限界について』 を読む  絵画や彫刻や文学はそれぞれ、…

 ラオコーン像は紀元前に造られた彫像で、1506年にローマで発掘されたもの。その存在自体は、…

夏目漱石『夢十夜』の「第六夜」から、彫刻のことを考える

 夏目漱石の書くものはいつだって、出だしが鮮やかに過ぎる。  夏目漱石『夢十夜』の「第六…

写真を読む ~安部公房『箱男』のなかの、「見る・見られる」の関係

 安部公房の『砂の女』では、ひとくみの女と男が、砂のなかの家にとらわれている。  女が住…

サザンオールスターズ 『SOUTHERN ALL STARS』 は「身近な愛」をうたい上げる

 桑田佳祐とサザンオールスターズは、「空気」をつくるのが抜群にうまい。  一曲ずつ、その…

「演ずるひと」のこと 上白石萌歌の場合

「演じる」って不思議だ。だれかになりきって時を過ごすことを、なぜこれほどわたしたちは好む…

【演ずるひと】長江崚行 ろくに趣味もない。俳優として、走れるうちは走り続けたいから。

役者とは、かなり特異な人たちなんじゃないか。 自分じゃない人になりきって、しばしの時を過ごすって、どういう感覚なんだろう。うまく想像できない。何だかすごく怖いことのような気すらしてくる。 演ずることに憑かれた人たちの頭を渦巻く、悩みと喜びとはどんなものなのか。 たとえば、長江崚行の場合はどうか。 (初出・cakes2021年) 「実力派」とは、まさに彼のことだ。 コメディーからシリアスまでをみごとに演じ分ける俳優との世評を、若くして確固たるものとする。 芸能活動を始めた

文学の肖像  よしもとばなな×管啓次郎 対談記「うまく生きられないほど純粋な人を…

旅や詩、言葉のつむぎ方、眠る夢の大事さについて。作家のよしもとばななさんと詩人・比較文学…

文学の肖像  古沢良太 あの人気脚本家が、マンガ作品に手を染めたワケ

幅広いジャンルを渡り歩き、自在に設定される舞台やテーマ。奇天烈なところもあるが、同時に…

文学の肖像  倉数茂『名もなき王国』より なぜ人は物語に憑かれるの

これは物語という病に憑かれた人間たちの物語  ひとつの大きな物語の中に、いくつもの小さい…