「みかんのヤマ」 9「山の王」の威厳 20211228
農会長が言わんとするのは、いまが収穫と出荷のピークであること。
どの畠も人員総出で、たわわに実ったみかんをもいで、ケースにぎっしりと詰め、傷ものにならぬよう丁重に出荷場まで運び出す、一連の作業の真っ最中だ。
みかん山でとれるみかんは、希少なブランド種として流通する。外皮も内皮も極めて薄く、口に含めば糖度の高い果実が躍り出る。甘みと食べやすさで並ぶものなし。それだけに食べ頃は短く、扱いも慎重にせねばならない。
みかん山を彩る樹々は文字通り金の生る木だけど、生った果実を