山内宏泰 公式サイト
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あと何冊読めるだろう。 ふとそう思いました。 だから、 本を読もう。 もっと本を読もう。
文学のすべてを、ここに集めるのだ。
創作と編集、その知見をできるだけ集め、まとめ、体系立てるのです。
アートにまつわること、なんでもここに。
記憶の中から紡ぐ創作論の11回目。 たとえば小説は、近代になって西洋で生み出されたジャンルであって、日本に伝わってきたのは明治時代に入ってから。 漫画はといえば、「鳥獣人物戯画」のような中世の著作に起源を求める説もあるけれど、まあ小説と同じく近代の産物と考えたほうが収まりはいい。 さて物語という存在に焦点を当てると、べらぼうに起源が古くなる。正確なところはだれにもわからないけれど、ヒトがヒトとなったころから、または言葉を操るようになって以来、物語はずっと紡ぎ続けられて
「ヌメロトウキョウ」6月号「写真家たちの冒険」特集で志賀理江子さんが挙げたのは「いまここにある身の回りの冒険」でした。日常の中にかつて生きた人の姿を見出していく。 「“世界の果て”のアート探訪」も。眺めれば辺境旅行気分。雑誌の醍醐味。 #ヌメロ
著名なもしくは関係性あるアーティスト作品をかき集めたのじゃなくて、 「ここにあるべきは誰のどんな作品か」 と思考が重ねられただろうことが伝わってきてすてきだ。 東急歌舞伎町タワー内のアートについて、 #文春オンライン で。 #歌舞伎町タワー #アート
一九九〇年十二月末日だった。 大晦日とはいっても、特別なことは何もない。大掃除だってしない。秋口から同じペースで続けてきた受験勉強を、ひたすら継続するだけだった。 前の週から冬休みにはいった。年が明けても、三年生は通学しなくてもいいから、高校は実質終わったようなものだ。一日丸ごと二十四時間が、自分の手元に落ちてきた。ふつうなら持て余しそうだけど、いまは目の前にやることがたくさんあって、それをこなすのに精一杯で、時間はあればあるだけありがたい。 焦っていた。国語も英語も
桑田佳祐とサザンオールスターズは、「空気」をつくるのが抜群にうまい。 一曲ずつ、その作品の輪郭というか、纏う色合いがくっきりとしていて、いつもねらいがたいへん明確。 1990年にリリースされた『SOUTHERN ALL STARS』は、バンドとして5年ぶりのアルバムとなるものだった。 一曲目の『フリフリ’65』は、いかにもなロックナンバーで、みんなに久しぶりにアイサツかますか! と言わんばかりの快活さに溢れる。 大いに「らしさ」を示しつつ、ほんのすこし探りを入れるよ
一九九〇年十一月のこと。 愛知と岐阜の県境近く、山ひとつ削って拵えられた新興住宅地の片隅に一軒の分譲住宅があって、その二階の六畳間で夜な夜な僕は勉強だけしていた。 十八歳で、受験生だった。 平日のルーティンは、こうだ。 まず、高校にはちゃんと通う。学校をあてにせずすべてを予備校に委ねるか、自分で計画を立てるツワモノもいるけど、自分にはそこまでの自信もビジョンもない。生活ペースを保つためだけでも、学校に行く意味はある。 とはいえ、大半の授業では内職に励む。最近はも