山内宏泰 公式サイト
記事一覧
【掲載中】 文春オンライン 中井菜央『雪の刻』の物語
そこでは雪という存在がすべてを動かす。時間さえもね。 圧倒的な写真集『雪の刻』をつくった中井菜央さんが送った雪まみれの日々のこと。 文春オンラインで! #中井菜 …
【掲載中】 WEB別冊文藝春秋 藤田真央「指先から旅する」、第二回
藤田真央さん連載「指先から旅する」、第二回が公開されてますよ。
モーツァルトと藤田さん、たしかにいろいろ共通点がありそうな気がしますよね。
WEB別冊文藝春秋 で! #藤田真央
藤田真央 #02 「わたしに”合っている”モーツァルト」 @bessatsubunshun #note https://bessatsu-bunshun.com/n/n885f45ed952f
五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝 十一 戦さをしても薩摩に勝ち目はない 20220314
この国で戦乱が日常だったのは遥か昔のこと。ここ百年余りは幕府の大いなる力によって、太平の世が続いていると人は言う。
が、それは表面上のこと。日の本全体を統治平定し続けるために幕府は、裏で常に権謀術数を張り巡らせてきたに決まっている。
江戸の藩邸に勤めているあいだ、尾関はそれを肌身に感じてきた。大小さまざまな藩の屋敷やそこに出入りする者は、動静を逐一監視されているのを感じる。逆に幕府の動向
五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝 十 絶妙な罠 20220313
幕府から薩摩藩へ届いた御手伝い普請の話には、かなりの無理があると尾関尚吾には感ぜられた。
そもそも濃尾平野での治水工事を、薩摩が請け負うということからして不可解だ。地縁も何もないのだし、大河川のない薩摩には治水土木の技術などないに等しい。
濃尾の近隣にある藩にとっても、なぜ列島最南端の薩摩なぞが出張ってくるのか、不審でしかたなかろう。実施されるとなれば、疑心暗鬼といらぬ敵対心だけが醸成され
五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝 9 そんな仕事を請けてはいけない 20220312
自身の上司が暗愚であることを、尾関はよくよく承知している。
そして同時に、自身はそのことをとくに苦にしていない。
薩摩という雄藩の士として生まれたからには、大きな組織に身を置き殿に仕えるのは必定。その際どんな人物が上に就くかは、本人の預かり知らぬところである。
誰のもとで働くにせよ、自分が本分をまっとうすればいいだけの話だと、尾関はすっぱり割り切っている。
どころか尾関は、平田にむしろ