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「写真の物語」 〜トタン屋根書店で見つけた本〜

写真集ではないですが、こちらも折に触れて眺めたくなりますね、と店主が携えてきたのは、打林俊『写真の物語』(森話社)だった。

歴史的に写真のことを捉えるなら、ともかくこれ一冊を読めばいいでしょう。ひじょうな力作ですよね。
分厚い本ですけど、ぐいぐい読ませる文章でつづられていますし、人間の歴史のなかでおのずと写真というものが創生され発展していったことが無理なく理解できます。副題に「イメージ・メイキングの400年史」とあるように、なるほど写真とは近代が生んだイメージ・メイキングの強力な一手段なのだなということが、ちゃんとわかる。いまどき看板に偽りなき本なんて、なかなか希少じゃないですか。
全編にわたりフラットな記述を心がけているものの、エマーソンという19世紀の写真家のあたりで思わず力が入っているように見受けられるのも、なんだかいいなあと感じさせます。


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