五十年間失敗し続けた男 平田靫負伝 5 強藩を揺るがす心の弱さ 20220116
宝暦治水をひとつの事象と見た場合、幕府側からすれば「天下の暴れ河」平定の足掛かりができて、満足いく結果を得たと言える。
実務はすべて薩摩藩に丸投げだから、懐ひとつ痛まないのだし。
では薩摩藩から見た、宝暦治水の意味は?
そもそも縁もゆかりもない地の治水に借り出されたのは、幕府の一方的な命による。外様・薩摩の力を削ぐ方策だったのは明らか。
本来、薩摩藩がそんな無理難題を引き受ける大義や理は欠片もない。断固拒否すべき事案だったかもしれない。
折れて工事を請け負っ