「みかんのヤマ」 20 骨を知る 20220108
専門学校の生徒たちは皆、座学に見向きもしない。
初年度は講義を聴くかたちの時間が多いのに、たいていは遠慮なく居眠りしたり延々と爪をいじったり。時間をやり過ごす術を見つけるのに夢中だ。
ひとりわたしだけが、授業中の講師にまなざしを注ぎ続ける。飛び抜けて真面目で勉強熱心な性向だからというより、これは目的のあるなしの問題なんだろう。
だってわたしには、明確にやりたいことがある。人の心と身体を操る力を身につけて、山の王を凌駕しなければならない、そのためと思えば、授業に集中