港千尋『注視者の日記』 〜トタン屋根書店で見つけた本〜
これも私は写真集とみなしたいですね、と店主が取り出してきたのは、港千尋の『注視者の日記』だった。
写真は対象とのあいだに距離がないと取れませんから、撮影者は必ず事象の傍観者となりますよね。見る人、観察する人にならざるを得ない。一歩引いた位置にいて没入していけない立場を「淋しい」と称した写真家もいましたが、港はみずからを「注視者」と呼んでその立ち位置を愉しんでいるふしがあります。プラハやザグレブ、パリなど各地を巡りながら写真を撮り、思索を巡らしその軌跡を文章に起こす。写真はた